愛犬との暮らしは、たくさんの素敵な思い出とともに年月が経つのも早く、
いつのまにか老犬といわれる時期になっているものです。
人間においても高齢化は大きな問題の一つですが、犬もまた平均寿命が延びたことによる高齢化は、痴呆や寝たきりなど深刻な問題を引き起こしています。
老犬は人間と同じように寝たきりになると床ずれがおこります。犬の床ずれは人間とは違い、皮膚が腐る膿が出るなど、その痛々しい状態は初めて遭遇するとびっくりすることでしょう。そして最初のうちはそれが床ずれだとは気がつかないかもしれません。
老犬が自力での歩行が困難になり、寝たきりになった場合には、
まず床ずれの予防を考えてあげてください。
そしてもし床ずれになった時は、そのまま放っておくとどんどん症状が進んでしまう深刻な
問題であるため、早目の発見と治療が必要になります。
老犬の床ずれの特徴と症状について
床ずれは、寝たきりになると同じ姿勢のまま自由に体を動かすことが出来なくなるため、
肩、腰、足首、かかと、頬骨の部分など、骨が飛び出していて体重のかかる部分が
長時間圧迫され血流が悪くなることで起こります。
そのため大型犬や中型犬、痩せている犬がなりやすいので注意が必要です。
床ずれとは、筋肉や皮下組織の血行障害は壊死を引き起こし、
その部分の皮膚が破れむき出しになった状態です。
さらに進行して重症化をすると骨が見えるようになるまでになることもあります。
重症化をすると傷が治りにくく、治療にひじょうに長く時間がかかります。
できるだけ床ずれの進行サインを軽症のうちに発見をして、悪化させないことが大切です。
▶床ずれの進行サイン
■毛が切れたり薄くなる
圧迫されている部分の毛が擦り切れたり、抜け落ちてだんだん薄くなる。
■皮膚が赤く変色する
毛が薄くなった部分が皮膚炎のように赤くなり、痒みや痛みが出る。
■水ぶくれになる
皮膚が赤くなった部分が、しだいに白っぽくなり水ぶくれになる。
触るとブヨブヨしていてる。
■皮膚が破れてただれる
水ぶくれを放っておくと破れ、皮膚がただれジュクジュクした体液がでる。
進行サインをチェックして、皮膚が赤く変色しているところまで進行している場合、
次の段階にはすぐに進行してしまいます。
また、皮膚のただれ等、すでに悪化している場合も含め、進行サインを発見した時点で、
病院の診察を受けることが大切です。
老犬の床ずれの予防方法について
床ずれは一度できてしまうと治りにくいため、ならないにこしたことはありません。
そこで予防をすることがとても大切になってきます。
もし老犬が寝たきりになった時は、床ずれ予防のために以下のようなことに気をつけてください。
■定期的に寝返りをうたせてあげる
寝たきりになると自力で寝返りがうてないため、介助する人の手によって、
定期的に向きや体位を変えてあげることが効果的です。
また、時々体を浮かせてあげるようにすることも圧迫部分の血流回復の効果があります。
ただし、老犬は骨や関節が弱くなっていたり、心臓も弱くなっているため、
姿勢を変えてあげる時にも、体に負担をかけないようにゆっくり動かす、
急激に変えないなどの配慮が必要です。
体重が重い中型、大型犬の場合、寝かせたまま変える必要があるため、
特に背骨に負担がかかりやすいため工夫が必要となります。
姿勢を変える時には背骨が当たる部分にクッションや低反発マットなどを置いて、
できるだけ負担がかからないようにしてあげます。
犬の体を定期的に動かすとともに、注意深く体の様子を観察するようにすることが
予防につながります。
■ベッドの工夫をする
まず第一選択としたいのが、老犬介護用の床ずれ予防ベッドや介護用マットです。
床ずれ予防専用に作られているため、体圧の分散や衛生面においても考慮されているため
おすすめです。
獣医さんによると介護用のウォーターベットが一番いいとの意見もあるようです。
また介護用ベッドやマットの上で寝かせていても、床ずれになりやすい場所は
なってしまいます。そのため、あらかじめ床ずれになりやすい部位には
ドーナツクッションをあてがうことで対処をします。
介護用のドーナツクッションも販売されていますし、
タオルをねじってドーナツ状にしたものでも十分に代用が可能です。
その他、寝たきりになると排泄物についての配慮も必要になります。
いつ漏らしてもかまわないように、ペットシーツを敷くなど衛生面にも
気をつけることが大切です。
■マッサージをする
寝たきりになると体を動かさないため、血液やリンパの流れが滞ってしまいます。
この血流やリンパの流れは傷の治り方にも影響するため、マッサージをしてあげます。
むくみがちになる前肢、後肢を下から上に心臓にむかってのマッサージが効果的です。
また関節が固くなってきた場合は、関節を延ばすようなマッサージも効果があります。
これらのマッサージは犬が嫌がらない程度に、少し強めに撫で上げるような感じで、
血行を良くするようにイメージして行うといいでしょう。
マッサージをする時には犬の体の様子を観察するための、いい機会となるので
注意深く観察をしてください。
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