犬の足腰の病気|びっこや引きずりの症状と原因

犬は足や腰に痛みや違和感があると、急に歩き方が変わったり、
びっこを引いたり、しぐさや行動に変化がでます。

もしかしたらあなたの愛犬は足腰の病気になっているのかもしれません。
いつも犬の歩き方やしぐさを注意深く観察してその変化に気をつけることが
大切です。

犬の足腰に関係する病気をまとめてみました。
犬の様子の変化と症状にピンとくるものがあり早期発見につながれば幸いです。

膝骸骨内方脱臼(しつがいこつないほうだっきゅう)

ひざの骨が内側にずれ足が曲がって歩きづらくなる

犬の足で多い病気

犬の足の病気で多いのが膝骸骨内方脱臼です。

後ろ足のひざのお皿の骨が内側にずれる病気で、特に小型犬に多く発症します。外傷性が要因である場合もありますが、ほとんどが先天性のケースが多く、遺伝的な要因が強く影響していると考えられています。また、発育に伴って発症してくるケースも多くあります。

初期症状は伴わない場合がほとんどですが、進行してくると後ろ足が内股に見えたり、歩きにくそうなしぐさをするようになります。

片方に発症すると痛みで片方の足をかばうため、両足共に発症するケースも多くあります。

【症状】
●後ろ足が内股に見える
●ときどきスキップをするような歩き方をする
●片足を上げたまま立つことが多い
●立ったままひざを曲げたり伸ばしたりする

股関節形成不全(こかんせつけいせいふぜん)

股関節がゆるんで後ろ足のふらつきがあらわれる

股関節が発育異常により、正常に形成されなかったり、変形により骨盤のおわんの部分に太ももの大腿骨がぴったりと入らなくなり、股関節がゆるむ病気です。

股関節の軟骨がぶつかり合う時におこる炎症による痛みで、歩き方に異常がみられるようになります。遺伝的な要因がほとんどで、生まれつき股関節のはまりが浅い大型犬に多く発症する病気です。

多くが生後4ヶ月から1年までの間に発症し、ほとんどの場合、両方の後ろ足に
症状があらわれます。

【症状】
●腰を振って歩いている
●段差の上がり下りを嫌がる
●散歩の途中に座りたがる
●散歩を嫌がる
●ジャンプを嫌がる

椎間板ヘルニア(ついかんばんヘルニア)

背骨の間のクッションがずれて脊椎を圧迫。痛みや足の麻痺も

人間においても腰痛の病気としてあまりにも有名な椎間板ヘルニアですが、犬においても同様に多い病気です。

背骨の間には椎間板という弾力のあるクッションのようなものがありますが、激しい運動や負担のかかる動作により、椎間板が押し出されてしまい、脊椎の神経を圧迫してしまうのです。また、背中だけではなく首に起こる場合もあります。

突発的に発症してしまう場合と、徐々に進行して発症する場合がありますが、
圧倒的に突然起こるケースが多いです。

【軽度の症状】
●背中を触ると痛がる
●あまり動きたがらない
●段差の上がり下りをつらそうにする

【重度の症状】
●後ろ足をひきずって歩くようになる
●段差の上がり下りができなくなる
●横になったまま動けなくなる

レッグ・ペルテス病

股関節の骨の一部が溶けてしまう

股関節の血管が傷ついて骨盤とつながっている大腿骨の先に血液が回らず、股関節の骨の一部が溶けてしまうことで関節の変形してしまう病気です。

現在はまだ原因についてはよくわかっていません。遺伝的な要因だと考えられています。

比較的、小型犬の成長期に多く発症し、進行性であるためほおっておくと、痛みにより足を引きずって歩くようになり、発症した方の足はだんだんと痩せていくようになります。

初期の症状が軽い場合は、運動制限や鎮痛剤を使い対処する場合もありますが、残念ながら進行性の病気であるため、最終的には手術が必要となります。

根本的な治療としては手術で壊死した部分を切除し手術後にリハビリを行います。
足が筋肉が落ちて痩せ細ってから手術をするとリハビリもその分たいへんに
なります。できるだけ早く手術をすることが大切です。

【軽度の症状】
●片足をかばって歩くようになる
●片足をひきずるようになる
●触ると痛がる

【重度の症状】
●歩けなくなる
●足が痩せ細っていく

特発性多発性関節炎(とくはつせいたはつせいかんせつえん)

小型犬に多い人のリウマチに似た病気

関節の病気といえば関節リウマチが有名ですが、特発性多発性関節炎も
よく似た病気で、免疫介在性の多発性関節炎と呼ばれることもあります。

文字どおり足首やひざなど、複数の部位に同時に関節炎がおこります。

原因はよくわかっていませんが、免疫の異常と考えられており、ストレスなどで
免疫力が低下すると発症しやすいといわれています。
本来は自分の体を守るための免疫が、なぜか自分自身の関節を攻撃してしまい、
そのための関節炎により痛みや歩行が困難な状態になります。

進行性の病気であるため、ステロイドや免疫抑制剤により、免疫反応を
コントロールし、進行を抑制する治療を行います。

【症状】
●足をかばって歩くようになる
●あまり動かなくなる
●関節が腫れている部分がある
●関節を触ると痛がる

犬の足腰の病気を予防する3つのポイント

犬の足腰に関係する病気のうち代表的な4つの病気を取り上げてみました。
どれも聞きなれない病名だったかもしれませんが、犬は意外なほど足腰が
弱い動物なのです。

どの病気も先天性の遺伝的なものが強く影響しているのは事実ですが、
それ以外の環境的な誘因について気をつけることで、ある程度の予防が可能です。

どの病気にも共通した、気をつけたい3つのポイントをあげてみました。

犬が滑りにくい環境で足腰を守る

フローリングなどの滑りやすい床は、毎日のように滑ることを繰り返していると
足腰に大きな負担となり、病気の誘因となります。
床に犬の滑り止めの工夫をする必要があります。

段差を避ける工夫と、飛び降りや飛びつき防止

階段や玄関先など室内の段差があるところは、犬が近寄らない工夫と、
段差をなくするバリアフリーなどの工夫をする必要があります。
散歩のルートに階段など段差がある場所は避けて通るようにするのがいいでしょう。

また、ソファなどから飛び降りたり、はしゃいだりして飛びついたり、
むやみにジャンプをさせないようにすることも大切です。

体重管理で肥満防止

肥満による体重は足腰にダメージを与え病気の誘因となります。
特に小型犬は足腰の骨が細く、少しの体重増加でも大きな負担がかかるため、
注意が必要です。体重管理をしっかりとし、必要であれば獣医の指導も受ける
ようにします。

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