犬の高齢化に備えて|老犬介護のためのバリアフリー対策

最近では犬の寿命が伸びたことによって、高齢化による老犬介護という問題が
クローズアップされてきました。

老犬

その要因は、犬の住環境の変化や食生活の変化など様々ですが、犬の高齢化にともない、今現在、老犬がいるご家庭はもちろんですが、今は元気でも、いずれ先には、犬が老化で足腰が弱ったりして足をひきずるようになったり、視力が落ちたりするなど、高齢の犬を介護するという現実が待っているということをしっかりと認識しておく必要があります。

今現在、犬を飼っているのは庭など屋外でしょうか?それとも室内でしょうか。
様々な環境や事情もあり、人それぞれだと思いますが、
老犬になってきたら室内で飼うことがおすすめします。

犬が高齢になってくると、外飼いの場合寒暖の差も激しく体力を消耗するのです。
夏に暑い日が続くと熱中症になりやすく、冬に寒い日が続くとすぐに肺炎になってしまいます。

しかし今までずっと外で飼ってきた場合、環境の変化が犬にとってかえってストレスに
なってしまうのも心配しなければならず、しつけの問題等もあり急に室内で飼うのは
難しいかもしれません。

そのためできれば犬が高齢を迎え介護が必要になってくることを見越して、
元気なうちから徐々に室内飼いに慣らしていくなどの配慮も必要となるでしょう。

つぎに老犬の介護という点から室内のバリアフリーについて考えてみたいと思います。

老犬にバリアフリーが必要な理由

人間にとっても高齢者がいらっしゃるご家庭ではバリアフリーが重要視されています。
同様に老犬の室内活動スペースもできるだけバリアフリーということを考える必要があります。

老犬になると、脚力など体力の衰えと同時に、聴覚や視覚など感覚の衰えが
目立つようになってきます。

そのため、ちょっとした段差を避けることができなくなったり、
障害物にぶつかったりするようになります。

一般的には、犬の老化は脚力や体力と並行して、聴覚、視覚の順番で進むといわれています。
これらの老化は一旦進み始めると止めるのは難しいため、段差を無くすような配慮や
障害物を避けれるような配慮、ぶつかっても大丈夫な工夫などの、
バリアフリー対策が必要となるのです。

脚力や体力の衰えによるバリアフリーの必要性

まず、バリアフリーで最も重要視されるのは段差対策です。
脚力が衰えると敷居などのわずかの段差でも、つまずいて転んでしまい、
足腰を痛めてしまうなどの危険があります。

老犬の場合、足腰を痛めることが致命傷となり、そのまま寝たきりになる
可能性も考えられるため注意が必要です。

犬の脚への体重のかかりぐあいは前肢:後肢で7:3位の割合です。
前肢の負担はそれほどでなくしっかりしていても、後肢が股関節の衰えによりついていかず、
敷居などのちょっとした段差にひっかかると腰砕け状態になって転倒してしまいます。
また、足が短い小型犬の場合は、小さな段差でもお腹を打ったり足腰を痛める原因となるのです。

犬は高齢になとる筋肉量のいちじるしい低下がおこります。
できるだけしっかりと歩いて筋肉を維持すること、逆に足腰に負担をかけないこと、
その両方ががつまずき防止にもなるため歩きやすい床の方がいいのです。

そのため老犬の場合は、元気に走り回る元気な犬とは別な意味で床の滑り止め対策
する必要があります。

後肢が弱ってふらついてくると、床が滑るというのは相当大きなな負担となります。
場合によっては床を怖がって歩かなくなったり、踏ん張りがきかないため、
立てなくなったりもします。

こうなるとますます歩けなくなる、足腰を痛めるという悪循環になるため、
ロコモ防止、予防のためにも床にはコルクマット
を敷くなどの対策をすることが大切です。

視力の衰えによるバリアフリーの必要性

視力も加齢にともない低下してきます。
特に白内障といった目の病気になると、視力の低下もかなり進行します。
犬の視力の感覚は、人間が目で見ることが生活に重要部分を担っているのとは少し違い、
生活上の様々な感覚は視力より嗅覚に頼っています。

そのため、視力が落ちてもいつもどおりの生活をしているように見えるので、
飼い主はそのことに気がつかない場合も多いのです。

しかし進行すると、家具やものにぶつかったり歩き方が変わったりするなど、
明らかに様子に変化がでます。

障害物にぶつかると、目のケガをしたり思いがけないケガをする可能性があるため、
電気製品や家具の角や柱などの出っ張りになど、危険が想定さける場所は、
あらかじめ物をよける、タオルや気泡シートなどクッションになる柔らかいもので覆う等の
対処が必要です。

できるなら、障害物がないバリアフリー空間が望ましいのですが、
犬の視力が低下し嗅覚などの感覚にたよって生活している場合は、家具の位置を大きく
変えるような部屋の模様替えは、戸惑う可能性があるので気をつける必要があります。

犬の高齢化に備えて

バリアフリーに対して、バリアアリーという言葉が使われます。
人でも犬でもバリアフリー化によって体を動かさなくなり、
衰えがひどくなったり老化が進むという考えから、むしろ段差などの障害を
取り除かない、積極的には、わざと段差をつけるという意味合いの言葉です。

私もその考えには一理があると思います。
犬の高齢化に備えて、元気なうちから積極的に散歩などの運動をさせたり、
段差を上がらせたりして、筋力の維持、老化の防止をするのは大切です。

しかしそれはある程度元気なうちのことで、実際に足腰が弱ってきたり、
病気になったりして、歩くことにも支障がでるようになるといった一線を越えた場合は、
やはり犬に安全でやさしい環境を作ることが大切だと考えます。

バリアフリー対策とは、高齢化により生活に支障がではじめた犬が、少しでも快適に
暮らしていけるように備えるということなのです。

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